金朋地獄

今まで溜まっていた分のCD感想。


Istoria~Musa~

Istoria~Musa~

1月末に公式ブログでも触れられていましたが、デザインに苦労されただけあって、見ているとうっとりしてしまうようなジャケットです。CDケース歌詞カードを別々にして保管しておく習慣の私としては、ケースと一体化した歌詞カードはちょっと困りますけれどもw
中身の方は、ギリシア神話の9柱のムーサ(女神)をテーマにした、志方あきこさんを含めて6名の作曲家によるコンセプト・アルバムとなっています。試み自体は面白いと思いますが、やはり事前に覚悟していた通り、志方分は薄目と言わざるを得ません。歌い手としての志方さんは勿論のこと、作曲家としての志方さんはそれ以上に好きなので、9曲中2曲しか志方さんが作っていないとなると、少し物足りないものです。別に他の人の曲が嫌いなわけではなく、むしろケタローさんの「Euterpe - エウテルペ」や「Thaleia - タレイア」は、あれはあれとしてかなり気に入りましたが。
それと、ギリシア神話から着想を得ておきながら、曲中で使われているギリシア語が、古典ギリシア語ではなく現代ギリシア語なのも、どうなんでしょうかね。一例として「Polymnia - ポリュムニア」の冒頭「Ας ανοίξουμε την πόρτα.」を取り上げると、細かい点はさておき最も気になるのは、ラテン語由来の「πόρτα」が古典の時点でギリシア語には存在していないことです。ギリシアで日本神話を題材にした曲が作られたとして、その日本語歌詞中に「ドア」と言う言葉が使われているようなもの、と言うのはさすがに行き過ぎた例えかもしれませんが、それと同種の違和感はあります。まあ、こんなことを気に掛ける人は極々少数でしょうけれども。
今更言うのも何ですが、誤植企画にも参加しました。あの程度の誤植に対して、お詫びとしてここまでやって頂けるとは。ごめんなさいの歌にも、分岐で「許す」を選んだ後のコーラス曲にも笑わせて貰いましたw


oblivious

oblivious

Kalafinaがどのような方向性のプロジェクトか良く分かっていなかったので、期待と不安が半分半分だったのですが、この調子だと今後も期待出来そうですね。3曲とも劇場版のEDになっているだけあって、それぞれがシングルカットされてもおかしくないような出来ですし、また各曲調が全く異なっていることもあって、シングルながらミニアルバム程度の心理的ボリュームがあるような気がします。


コトダマ

コトダマ

表題曲「コトダマ」、カップリング曲コヒブミ」のどちらも、特にどこが悪いと言うわけでもありませんが、あまり印象には残らないですねえ…。歌詞にもメロディーにも目新しい部分が感じられず、今までのアリプロ曲があれば十分と感じてしまいました。


10人の女性声優がアニソンを1人10曲ずつ歌っているものです。当然100曲の原曲が1枚のCDに全て収まるわけもなく、平均して1曲約40秒しかありません。その点に関しては、正直なところどうかと思わないでもないです。
そうは言いつつ購入したのは、葉月絵理乃さんが岡崎律子さんの曲を中心に歌っているからです。どちらも好きな私としては、これはもう聴くしかないだろうと。予想通り、葉月さんの声と岡崎さんのメロディーとは合いますねえ。10曲中7曲が岡崎さんの関わっている曲で、葉月さんは本当に岡崎さんが好きなんだなあと思いました。今回の10人の中で、ここまで作詞・作曲者あるいは歌手本位で選曲しているのは葉月さんしかいません。他の人は自分が出演したアニメや(おそらく)子供の時に見ていたアニメからの曲が多いのに対して、葉月さんはブログでも仰っていたように、まず岡崎さんの曲を歌いたいと言う気持ちが先にあり、そこから「アニソン」と言う縛りに合わせて、アニメで使われた曲をピックアップしています。
CDを買った時点では葉月さん以外に誰が歌っているかも良く分かっていなかったのですが、他の人のものも結構楽しめました。名塚佳織さんは歌い方が遊び過ぎw 喜多村英梨さんは選曲が趣味丸出しですw 中村千絵さんの歌は初めて聴いたのですが、こんなに良い声で上手く歌える方だったとは、思わぬ掘り出し物を見つけた気分になりました。そして金田朋子さんが歌い始めると、腹筋が崩壊。もはやあれは歌と言う範疇を超えているw
そんなこんなでこれはアニソンを通して各声優さんの個性を楽しむアルバムだと思えば、1曲1曲の短さもそんなに悪いことではないのかもしれません。