素子とバトー

一昨日は沢城みゆきさんが出演なさっていると言うことで、マウスプロモーション第5回公演手塚治虫生誕80周年記念『銀と赤のきおく』を見に行って来ました。
舞台やイベントの感想はなるべく当日付で書くことにしているのですが、帰宅後、激しい頭痛に襲われてのたうち回っていたために、2日後になってしまいました。


会場は紀伊國屋書店新宿南店の7階にある紀伊國屋サザンシアター。直前まで6階で本を見ていたので、サザンシアターに着いたのは19時3分前と、かなりぎりぎり。
19時に諸注意のアナウンスがあって、5分後に開演。20時15分までが第1幕で、第2幕は約15分後に開始。カーテンコールでは出演者がサイン・ボールを客席に投げ入れたりもして、全てが終わったのは、21時半。休憩を含めて2時間25分の舞台でした。
席が1列目だったので全体を見るのは大変ですし、サイン・ボールも飛んで来ないし、やっぱり近けりゃ良いってものでもないですね。特に今回のように舞台が広くて、客席との間に高低差があるような場合は。1列目の席を取っておいて何言ってんだと思われるかもしれませんが、発売開始から10日程経ってから買ったら、たまたま1列目が取れてしまっただけですので。


『銀と赤のきおく』は、原案が手塚治虫ダリとの再会』・『火の鳥復活編』、脚色・演出が池田政之さん、出演者はマウスプロモーション所属の声優さんが約40人。沢城さんの他にも、納谷六朗さん、谷育子さん、森田順平さん、大塚明夫さん、大川透さん、田中敦子さん、沢海陽子さんなどなど、ベテランから中堅、若手まで、他ではなかなか見られない豪華な顔ぶれでした。もっとも「若手まで」と言っても、私が知っているのは沢城さんと阿久津加菜さんぐらいでしたが。


と、キャストとその演技については申し分なかったものの、脚本・演出には疑問符を付けざるを得ません。
まず時代設定について、原作に忠実に従う必要があったのでしょうか?「エアカー」なんて言葉だけ出されても、分かりにくいだけです。レオナチヒロパートと、ロビタのパートが同時平行的に進んで、交わり、最後に繋がると言う複雑な構成を取っていただけに、それ以外の枝葉末節の部分で観劇者(の原作を知らない人)を迷わせるべきではないでしょう。服装や小道具で25世紀であることが自ずから分かるようにしないのならば、物語のスタートを現代に変更するぐらいのアレンジがあっても良かったのでは。
それにこの舞台を単体で見た場合、火の鳥が出て来る意味はあまりありません。と言うか、むしろ出ない方がすっきりします。まあ、「手塚治虫生誕80周年記念」と銘打って、火の鳥を原作とした舞台をやって、それで火の鳥が出て来ないなんて、そんなのは許せないと言う人もいるでしょうが。
何カ所かあったギャグも、つまらなくて白けるしかありませんでした。


そんなわけで、今まで見た舞台の中で、最も行ったことに後悔を覚えたと言うのが正直な感想です。