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高橋理恵子さん出演の、演劇集団円10月公演「シーンズ フロム ザ ビッグピクチュアー」初日を観て来ました。


会場は、新宿の紀伊國屋ホール。ここに入るのは2007年11月以来で、何だか懐かしい。
ABC列は座席が設置されていなかったので、チケットがG列の私は、前から4列目でした。チケットと言えば、円は学生料金があるんですよね。演劇では割と珍しい方だと思いますが、学生の私は非常に助かっています。


18時30分過ぎ、前説があって、18時35分過ぎ、開演。途中、19時50分過ぎから20時5分過ぎまでの休憩を挟んで、終演は21時過ぎ。
出演者等(敬称略)は、以下の通り。

作:オーウェン・マカファーティー
訳:芦沢みどり
演出:平光琢也
キャスト
サミー・レノン:松井範雄
ベティー・レノン高林由紀子
フランク・コイン有川博
デイヴ・ブラック:上杉陽一
テレサ・ブラック:唐沢潤
ヘレン・ウッズ:入江純
ジョー・ハインズ:加藤圭
メイヴ・ハインズ高橋理恵子
シャンクス・オニール:石田登星
シャロン・ローサー:秦由香里
ボビー・トーペット廣田行生
バップ・トーペット:山内基寛
マギー・リトル:山根舞
スウィズ・マードック:玉置祐也
クーパー・ジョーンズ:清田智彦
ポール・ファガティー:小林親弘
ハリー・ファガティー:本多新也
ロビー・ミュリン:小川剛生
コニー・ディーン:梶原美樹
スパイロ・ジョンストン:寺尾たかひろ
ラット・ジョイス:戎哲史

タイトルの「the Big Picture」とはベルファストのある1日のことで(と解釈しました)、そこから計41のScenesが舞台上で繰り広げられました。キャスト一覧を見れば分かるように、登場人物が21人と多い上、それぞれのシーンの登場人物同士が必ずしも接点を持っているわけではないので、冒頭の方は観ていて、なかなか理解が大変でした。自然とその内、各人物のポジションの整理が、頭の中で出来上がりましたけれども。
シーンの切り替えの際、最初の方は、机や椅子等を出し入れするための暗転がやたらと多くて、結構気になりました。後半の方は、照明を当てるステージ上の箇所を移すなど、暗転せずとも切り替えを表現出来る方法が増えて、完全に真っ暗になる時間は少なくなりました。工夫すれば前半も同じように出来なくはなかったと思うのですが、あれは何か意図あってのことなのでしょうか。
それぞれのシーンでは、話が同時並行的に進んで行きました。そしてそれぞれのエピソードに、明快なオチ・謎解きはありません。まさにある1日をそのまま切り出して来たかのようです。ただ、多くの登場人物に共通するのは、孤独や喪失を抱え込んでいると言うこと。21人の中で、この後幸せになれそうなのって、バップマギーカップルくらいじゃないですかね。シャンクスシャロンもそうかもしれませんが、2人の気持ちには修正し難い擦れ違いがあるように感じられました。
理恵子さん演じるメイヴは、不妊に悩む妻の役。狂気染みているようで、その実、冷静な部分も持ち合わせていました。ジョーとの間の亀裂が決定的となったあの時、凄むでもなく、笑顔で理恵子さんが言った「殺す」と言う言葉の重さに、ハッとさせられました。