実は私、祥子様があまり好きではないのです…

今回は祥子様好きな人は読まない方がいいと思います。


好きな登場人物の前に好きではない人物の話をするなんて、何だかネガティブですが、これは自分がどんな姿勢でマリみてを読んでいるかに結構関わっています。
私がいつから祥子様を好きではないかと言うと、最初からです。具体的には、薔薇の館で祐巳をスールにしようとして以来、どうしても好きになれません。この場面は、「朝タイを直したことを無意識的に覚えていたので祐巳に惹かれた」とかいくらでも好意的に解釈できますが、やはり私には行き当たりばったりにしか思えません。柏木さんとの騒動の後、温室で祐巳に語った柏木像もそのまま祥子様に当てはまっていますし(人の気持ちが分からない、人を傷つけても自分のせいだと思わないなど)。
2人がスールになった後でも、祥子様の発言1つ1つがどうも気に入りません。「包み込んで守るのが姉」とは蓉子様の言葉ですが、祥子様はそれができていないように思います。もちろん全てのスールがそうあるべきではありません。しかし、祥子様は姉という立場を強調し、祐巳に従うように要求することがたびたびあります。であるならば、祥子様と祐巳は明らかにある種の「上下関係」にあるので、「包み込んで守る」ことを祥子様はしなければならないのではないでしょうか。たとえば、祥子様と祐巳はヴァレンタイン前に仲違いをしてしまいますが、その非が祐巳にあったとしても、いきなり強い口調で詰問したのは何か違うと思います。要するに、それまでに何も聞かずにいたのに突然怒りをぶつけるのは、姉としてどうなんだろう、ということです。
さて、マリみての最大のテーマと言えばやはり「祥子様と祐巳の関係」だと思いますが、祥子様を好きではない私にとって、それはさほど重要ではなくなってしまいます。冒頭でマリみてを読む姿勢云々と言ったのはこういうことです。特に祐巳が2年生になってからは、紅薔薇姉妹の話がかなりのウェイトを占めていますから、結構深刻です。
昨日「パラソルをさして」が好きだと書きましたが、あれも祥子様と祐巳の仲が修復されたから感動したわけではありません。むしろ私はレイニー・パラソルで祥子様をますます好きになれなくなりました。もちろん祖母の死期が迫っているという状況にあったことには同情します。しかし、遊園地にいけないのは家族のことのためではないかと思った祐巳に対して、祥子様はシラを切りました。それなのに「聞き分けてちょうだい」はひどいのではないかと。
じゃあ何で「パラソルをさして」が好きなのかと言うと、それはまた今度ということで。