グラン・スールとプティ・スール

グラン・スールプティ・スールといえば、マリみてで「姉」と「妹」を表す言葉ですが、フランス語表記は通常grande sœurとpetite sœurとなっています。が、これは普通に読むとグランド・スールとプティト・スールなんですよね。
フランス語は語末の子音を発音しないことが多く、形容詞granとpetitの発音もグランとプティです。ところがsœurは女性名詞なので、形容詞の方も女性形となり、語末にeが付きます。このe自体は発音しないのですが、その直前の子音は発音するようになります。
ではなぜマリみてではdとtが発音されないのか?可能性として思いつくのは次の通りです。

  1. 今野先生の単純ミス
  2. 言い易さ、あるいは響きの良さ(よりフランス語っぽい?)
  3. この言葉を使い始めた当時のリリアン生に十分なフランス語の知識を持った者がいなかった

1.ということはまずないと思いますし、そうであって欲しくもありません。しかも1,だとすると話が終わってしまうため、この線はなしということで。
残るは2.と3.ですが、今野先生がそう決めた理由としては2.、物語の中での理由としては3.と言ったところでしょうか。
実はもう一つ、

  • 古フランス語ではgrandは男女同形であった。この影響で古い時代に形成された語、たとえばgrand-mère(祖母)は女性名詞にもかかわらずgrandeという形をとらない。この形に倣ってgrand-sœurという形にした。

というものが考えられるんですが、そこまで考慮されているとは思えません。第一、grandの方はこれで説明がつくとしても、petitの方は古仏語でも男女同形ではないので、やはりこの考えでは駄目みたいです。

余談:数値文字参照自動リンク

grand-mèreと書こうとして、

grand-mère

と入力したら、
grand-mère
なり、mのところがマルキューへのリンクになってしまいました。
数値文字参照よりも自動リンクが優先されるんですね〜。当たり前と言えば当たり前か。
正しく表示するためには、

grand-[]m[]ère

と入力しなければなりませんでした。