「パラソルをさして」の魅力

一昨日、私がパラさしを好きな理由は祥子様と祐巳の関係が元に戻った(というより雨降って地固まった)からではないと書きました。では、どこが気に入っているかというと、ラストシーンへ向けての過程です。
レイニーで雨の中に取り残された祐巳ですが、パラさしでは様々な人と接することによって立ち直るきっかけを得ていきます。文中の表現を借りるならば、「ヒントのようなもの」が至るところに散りばめられていると言ったところでしょうか。この巻で祐巳は、聖様・加東さん・由乃さん・瞳子・真美さん・弓子さん・青田先生(傘が返ってきたこと)・蓉子さまなどから影響を受けます。おそらくこのどれもがあのラストシーンに至るのは必要だったと思います。一つ一つは十分な「ヒント」ではないですが、これらが段階的に積み重なっていったからこそ、祐巳は祥子様と仲直りできたのではないでしょうか。
マリみてのアニメ第二期では、このパラさしが最終話でしたが、この「ラストシーンへと向かう段階的な積み重ね」は上手く表現されていませんでした。ということで私は不満を抱いたわけなのですが、同様の意見は見たことがありません。やっぱり祥子様が好きではない(ラストシーンに重点を置いていない)人は少ないのでしょうか。
まあ、そもそも祥子様と祐巳の関係に重点を置かない私の見方は「正しい見方」ではないことは分かっているんですけどね(笑)

余談:ドリルが3つ?

どうでもいいことですが「パラソルをさして」117頁の挿絵の瞳子は、頭から3本目の縦ロールが生えているように見えて仕方ありません。