砂に埋まったまま眠る理恵子さん

演劇集団円の舞台「天使都市」を見に行って来ました。

開演時間の19時少し前に田原町ステージ円に到着。早めにチケットを取っていたため、前から2列目のB列の席に座ることが出来ました。多分A列は支持会員の方向けではないかと思われますので、一般向けの席としてはベスト・ポジションではないでしょうか。
今回は入り口から見て左手に舞台、右手に客席。舞台の下手側には大量の砂が積もっており、そこには古びた椅子などが埋まっていました。舞台の奥には、下手側から上手側へ、そして折り返して上手側から下手側へと、段々低くなる通路があり、下手の頂上部と上手の折り返し地点のどちらからでも役者が舞台に出て来られるようになっていました。
そんな舞台の様子を眺めつつ、パンフレットを読み、お客さんはどんな層の人が来ているのだろうかと観察している内、19時5分頃に諸注意が始まり、その後開演。


天使都市」の作は松田正隆さん、演出は森新太郎さん。キャストは、

三谷昇さん
平木久子さん
首輪をされた男上杉陽一さん
首輪をされた女高橋理恵子さん
若い女梶原美樹さん

でした。協力の中には細越みちこさんの名前もありました。
舞台を見るのはこれで3回目ですが、今回は以前見た2つと比べて、筋らしい筋がなく、かなり難解でした。
パンフレットには

立てるそばから壊れていくような都市のありさまのことを戯曲にしたいと思っていた。

で始まり、

この舞台が一つの幸福な結婚でありますように。

で終わる、松田さんの言葉が掲載されています。この作品を読み解く上でのヒントになりそうなものですが、前半はともかくとして、後半は何を言っているのか良く分かりませんw 骨に見える根っこ、聞こえたのは鳥の鳴き声か赤ちゃんの泣き声か、揺れる様が揺りかごのような三日月。それらも「二重の意味」の表れだと感じましたけれど、実に表層的な理解に思えて自信がないなあ…
ただパンフレットからはっきりと分かったことが1つあります。先日亡くなった仲谷昇さんや岸田今日子さんは、とても大きな存在だったんですね。この「天使都市」はお二人の追悼公演でした。


休憩なしで舞台は続き、20時30分頃終了。舞台上に砂を撒き散らし、上からも砂が落ちて来る演出もあったから、毎回毎回片付けて元に戻すのは大変だよなあ、なんてことを考えながら、国際通りサライケバブで夜ご飯を買った後、家へと帰ったのでした。