マリみて新刊ネタバレ感想(今度は本物)

今日が発売日と言うことで、早速「仮面のアクトレス」のネタバレ感想いきます。ダラダラと書き綴ったら、異常に長くなりました。数えて見たら3200文字オーバーですよ…


と言うわけで、今回は3本立てでしたね。事前に知っていたあらすじから、「剣道の試合」+「生徒会役員選挙」の2本までは予想できていたんですが、「薔薇のダイアローグ」に続いて3年生の話がまたきましたか。こう言う話を読むと、ますます卒業が近付いていることを感じます…


でまず「黄薔薇、真剣勝負」。
正直なところ、この「黄薔薇〜」ってタイトルの付け方はあんまり好きじゃないんですが、今更変えるわけにもいかないか…。
ああ、やっぱり祐巳瞳子にロザリオを差し出したのは、由乃さんから見ても「唐突」だったわけですね。そう言えば「未来の白地図」の時は、祐巳の行動を「唐突」とか言って作品批判していた人がいたなあ…。まあ、そう言う人に限って話が進まなかったら進まなかったで、「今回も進展無し」などと叩くのでしょうが。
くもりガラスの向こう側」の裏話として、自転車のエピソードも入ってきましたか。くもりガラスの時の描写では、あからさまに何かありそうな感じでしたから。しかし、いくら古い自転車とは言え、1日で壊してしまうなんて、一体どんな乗り方をしたんでしょうか。初心者はそんなにスピードを出さないと思うのですが、由乃さんについてはその限りではないかも(笑)。ちなみに私見では、「手術の後、どうして今まで、自転車に乗ろうと行動を起こさなかったのだろう」の答えは、単に今野先生がわs(ry
そして遂にやってきた手合わせ。これはある意味、将来の孫候補に対する遺言みたいな役割を果たしているのでしょうか。これなら由乃を任せられる、みたいな。時期的にはちょっと早いかもしれないけれど。
ここで菜々の実力の程が明らかになったわけですが、肩透かしされた人はどれくらいいるんでしょうか?二次創作などでは、令さまと同格以上の扱いをされていることが多かったですけど。まあ今野先生の性格と手法を考えれば、「妹オーディション」における由乃さんの推理は明らかに読者のミスリードを誘っていると読めたハズ。
最後に令さまは「菜々」と呼び捨てにしていましたが、あれはやっぱり菜々を認めたからってことなんでしょうね。
にしてもロッカーの番号の件はちょっとベタな気もしますw


次に本題の「仮面のアクトレス」。
「世の中は平等に時間が流れているから。まあ、例外はあるけれど。」の例外って何でしょう?時空連続体が観測系や重力の影響を受けるってこと?それとも客観的には平等でも、主観的には違うってこと?
生徒会選挙と言うことで、当然静さまのことも話題に上ったわけなのですが、すいません、私は祐巳記憶力ナメていました。ロサ・カニーナの正体が序々に明らかになっている過程を事細かに覚えているとは。生徒会の仕事をしている内に記憶力が向上したんでしょうかw
しかし志摩子さんも「はいはい、わかりました」なんて喋り方もできるんですね。「……由乃さんの、そういうところ好き」発言と言い、こりゃもう来年度は最強の白薔薇さまだなあ。
ちょっと気になったのですが、76頁の「少しずつ強度が上がっても」は「下がっても」の間違いのような気がします。原文ママだと階段が勝手に自己修復しているみたいです。
でようやく乃梨子の出番キタ━━━━(゚∀゚)━━━━ッ!!?昨日の脳内ウソ感想では乃梨子が大活躍してたことになっていましたが、残酷な現実はこんなものですね…。まあ、いいや。今回は説明会の前に乃梨子志摩子さんの顔を思わず見に行ってしまうって言うイベントがありましたから。あれでご飯3杯はいけます(笑)。それに今年も去年と同じ形式のバレンタインイベントがあることがほぼ確定しましたし。これで今年のバレンタインは、乃梨子が誰とデートするかを予想する楽しみができました。勿論乃梨子志摩子にチョコを渡すシーンとそこまでのプロセスも期待してます。
今年の選挙の波乱要因はやっぱり瞳子でした。どう考えても当選できるハズもなかったのですが、落選自体が目的でしたか。これは祐巳との決別のためでしょうか。つまり関係の修復を外側から不可能にすると言う意図があったのではないかと。これで一般生徒から見れば、瞳子祐巳の妹になる資格などないってことになってしまったと思いますし。
そう言えば薔薇さま同士が姉妹関係にある場合の称号はどうなるんでしょうか?決してあり得ない状況ではないと思いますが、やはり別の色の薔薇を名乗ることになるのかな?
瞳子の真意が気になった乃梨子瞳子にラブレターを出して密会したわけですが(一部脳内脚色)、現在の乃梨子瞳子はこんな感じに会話するわけですね。瞳子の口調の特徴と言えば、たとえ同級生相手でも敬語調になるところなのですが、今回乃梨子に対しては一切見られませんでした。ちょっと新鮮でした。にしても結局泣いてしまうのは乃梨子の方なんですか。脳内ウソ感想のようにはいかないものですね、やはり。
由乃さんや志摩子さんが煮え切らない祐巳に対して出馬するように説得するシーンは、懐かしい台詞のオンパレードで、昔からの読者には嬉しいですね。いや、かく言う私は読者歴2年半に過ぎないわけですが。でやっぱりここでも志摩子さんは最強。
椿組の生徒が水で瞳子が油ならば、乳化剤の役割を果たせるのは乃梨子しかいないわけですが、こと今回に限っては乃梨子は動けない。それが瞳子の狙いだったような節もありますが。
しかし祐巳の信奉者(と言うか狂信者)にも困ったもの。別に頼まれたわけでもないのに熱心なことで。ああ言う人は、自分は祐巳本人のためにやっていると信じて疑わないんですよね。実際は自分の独善的なファン心理を満たすためにやっているに過ぎないとしても。「これからの薔薇さま」とかなんて言い回しは、随分安易な論法だなあ。
そして瞳子母が遂に登場。今回の瞳子の反応を見る限りでは家庭の事情まではちょっと分かりませんね。そこまで悲観するようなものでもないのでしょうか。ここで祐巳と会ったことが後に生きてくるんでしょうが、「たとえどこかで会ったとしても、思い出せないくらい薄い出会いのはずだった」って、祐巳、あなたはそんなこと言えるんですか(笑)。静さまのことも覚えていなかったくせに。
で2度目の乃梨子瞳子の会話ですが、うわっ、とうとうイジメっぽいものまで発生しましたか…。ちょっと重いなあ。いや、現実世界ではこれぐらい良くあることですけど、「善良な子羊」しかいないハズのリリアンではまた一段と意味が重いですし。
そんなこんなで今回明るい材料(?)と言えば、マスタード・タラモ・サラダ・サンドぐらいでしょうか。あれで微妙に救われた気がします。
仮面のアクトレス」全体を通して気になったのは、文意が通りにくい箇所が散見されたことです。推敲を全くしてないんじゃないかと思えるほどに。「黄薔薇、真剣勝負」みたいな話ならそんな感じでも良いのかもしれませんが…。
もう1つ残念なことと言えば、祐巳視点でも「電動ドリル」が出てきてしまったことでしょうか。


「素顔のひととき」については冒頭でちょっと触れたので、ここではスルーと言うことで。


あとがきは「物にも心がある」って話ですか。どうもそう言う考えに私は賛成できません。それは人間中心のエゴイスティックな考えなのではないかと。百歩譲って物に心があることとしても、その心の有り様が人間とは限らないわけですし。果たして人間に「お願い」して、持ち主の元へ帰ろうとする「希望」を抱くのだろうか?
にしても鍵をちゃんとかけて放置していくなんて妙なところで律儀だなあ。元の鍵で開いたってことは、元の錠を壊して新しいのを付けたわけでもなさそうですし。