アニメにおける使用言語

アニメではしばしば外国あるいは架空世界が舞台になったり、外国人が登場したりします(漫画やラノベも同様ですが)。そこでは一体どんな言語が話されているのか、語学マニアとしては気になるところです。
そんなわけで現在放送中のアニメからいくつかピックアップして言語事情について見ていきたいと思います。ちなみに見たことがないものは最初から対象外なのであしからず。

舞台は現実世界で、主人公達は日本人です。
モナコカップ編で明らかなように、この作品では登場人物間の使用言語の違いは無視されています。日本語しか満足に話せないと思われる主人公達ですが、世界各国の選手と何不自由なく意思疎通をしていました。
これはあたかも登場人物全てが日本語を話しているかのように扱う手法ですが、アニメ・漫画・ラノベなどでは比較的良く採られるものです。いちいち通訳を介していたりすると作品の面白さが損なわれますしね。
同時に、この手法を採ることによりある種のリアリティが失われていることは否めないでしょう。いや、そもそもこの作品はリアリティなんか追及してませんが(笑)

舞台はアクア(火星)のネオ・ヴェネツィアです。
ネオ・ヴェネツィア」と言うだけあって、作中の背景には良くイタリア語が見られます。例えばちょっと前の大掃除の回では、ARIAカンパニーに「chiuso」(英:closed)の文字がありました。
ところが主人公達が話している言語がイタリア語かと言うと、そうも言えないんですよね。伝説の大妖精に会いに行ったときの駅名は日本語で書かれていましたし。
とすると、「アクア」や「マンホーム」と言う固有名詞から考えるに、話されているのは共通語たる英語でしょうか?この場合イタリア語や日本語は、マンホームを模して作られた場所で限定的に使われているってことになります。
この辺りの事情は原作を読めば分かるのかもしれませんが、何せ私は未読なので何とも…。

舞台は現代日本ですが、träumend(動詞träumenの現在分詞)からも分かるように、ドイツ語と関係が深い作品です。
ドール達は作ったローゼンはドイツ人っぽいですが、作中でドール達が話している言語は明らかに日本語です。ミーディアム以外の人間とも会話が成立していますからね。
原作では雛苺がフランス語を話したりしていました。「Tu viens jouer avec moi!」とか。これは雛苺の以前のミーディアムがフランス人だったからです。いや、フランス語を話すベルギー人とかかもしれませんけど(笑)
そうするとドールの話す言語と言うのはミーディアムに依存しているってことでしょうか?契約によってミーディアムの使用言語が理解できるようになるとか?
でもそうすると、真紅はジュン以前に他の日本人と契約したことがあることになっちゃいますが…。う〜ん、やっぱり作られた時から「全ての言語」を知っていると考えた方が良いのかなあ。

舞台は今のところ日本とヴェトナムです。
主人公達が日本にいる時は全員日本語を話していると言えなくもなかったのですが、ヴェトナム編に入ってからは使用言語の違いを無視しているとしか言えません。
経歴に謎が多いサヤならばヴェトナム語とかフランス語とかを話せても不思議ではありませんが、カイやリクまでが現地人とスムーズに会話していますからね。まさか現地人の方が日本語を話しているとは思えませんし。

舞台は現代日本で、主人公は日本人です。
この作品では使用言語の違いと言うのは忠実に再現されています。能登麻美子さんがロシア語を喋ったりとか(以前の記事参照)。
最初はタズサとピートが会話できているのは、二人が意識を共有しているからだと思いましたが、実際には互いの考えていることは分からないと言う設定です。では何故会話が成り立つのかと言えば、ピートが日本語を理解しているからです。いや、いくらなんでも日本語上手すぎるだろっ、とツッコミたくなりますが(笑)

舞台は架空の星です。
あの世界の公用語は明らかに日本語です。何故なら人名表記や背景の地名などが全て漢字と仮名で書かれているからです。例えば今日の放送では「ノルブ」とかドギー兄さんの免許証とか。
ちなみに各回のタイトルも「インナー・フライト」と言うように英語でありながら片仮名表記が徹底されています。
作中では日系の名前がそれほど多いわけではありませんが、地球からの移民の過程で日本人が中心的役割を果たした結果、公用語が日本語になったのかな〜、と勝手に妄想しています。